岡崎体育ブログ 脂汗日記

盆地テクノやってます、岡崎体育のブログです。ぷっちゃへんざっ。めーん。

ライアーマストダイ

ふと昔のことを思い出した。

とても、悲しくて頭にきたことを。

なぜこのタイミングで思い出したのかはわからんけども、思い出した。



僕は19歳の頃

愛新覚羅ヌルハチ

という名前のロックバンドを組んでいた。





当時僕は、特にサークルにも入らず真面目に授業だけを受けに大学に通っていた。

欠席や遅刻もほとんどせず、
昼飯はイケてるグループで埋まった食堂の隅で、席が空くのを待ち、冷めた唐揚げ定食を食べた。

勤勉なハイエナのような1年を過ごしていた。

これじゃダメや。と思った僕は、音楽を始めた。

軽音サークルに入っても良かったけれど
なんとなく嫌な予想がついて学外でバンドをすることにした。

自力で3人のメンバーを集め結成したのが

愛新覚羅ヌルハチ

だった。


若さ故か、とにかく他のバンドの曲をコピーするのが嫌で、唯一コピーしたのが
blurのsong2くらいだった。
めちゃ簡単やったし。

スタジオで練習したりして、初めてライブハウスに出た頃から全曲オリジナルで勝負していた。
それがかっこいいと思っていたから。


ステージ度胸がなく
よく威嚇まがいなMCをしていた。
(今でもしてる。)

でも別に挑発してたわけじゃない。

挑発と威嚇は似てるようでちょっと違う。

挑発は先手の行為で、威嚇は後手の行為。
僕らはライブハウスが怖いから威嚇して虚勢を張ってた。

ライブの内容については、社交辞令なのかも知れないけどよく褒めてもらい評価してもらっていた。

めちゃくちゃ楽しかった。


で、楽しさの絶頂期やーーって頃に、




そいつは現れた。


やっと本題。




2010年の夏頃、あるライブハウスで普段通りバッキバキな感じでライブした帰り際、そのライブハウスの出入口付近で僕らは声をかけられた。

30歳前後くらいの男性だった。
対バンのお客さんだと思う。




「お疲れ様ですー‼︎いやー君ら凄かったよー‼︎」

マキシマムザホルモンみたいな勢いやったなー‼︎」

「19、20歳とかなん⁉︎若ッ‼︎」

「ボーカルさんもめちゃめちゃ歌上手くてビックリしたわー‼︎」





とにかく褒め千切られた。


そして5分ぐらい話した後





そいつがこう言った。




「実は僕大阪の厚生年金会館とかでブッキングみたいなんしてて、君ら話してても真面目そうやしすごく気に入りました。なんかの機会に呼べたらなーとか思ってて、君がリーダーやんな?連絡先教えといてもらっていい?」



僕ら4人は舞い上がった。

めちゃくちゃチャンスだと思った。
さっそくメールアドレスを交換した。


帰りの電車、僕らはまだ舞い上がってた。





「やった!俺ら大阪厚生年金会館でライブできんぞ!」

「見てこれ!キャパ2500人とかやって!」

「売れてるバンドの前座みたいなんやらしてくれはるんかなぁ。」





本気で嬉しかった。





すごい人に目を掛けてもらったと思った。

バンドメンバー、特に僕は本当にフワフワした気持ちだった。


家に帰って、嬉しくて嬉しくて、お母さんに話した。

今日ライブに大阪厚生年金会館の人が来てて、俺らのライブ見て気に入ってくれやはって、もしかしたらそこでライブさせてもらえるかもしれへんねん、と話した。


それから僕はそいつにメールを送った。
丁寧に丁寧に失礼のないように、本当に自分たちが会館でライブをやりたいってことを伝えた。



キラキラとした気持ちのまま返事を待ったけど、数週間しても返事はなかった。



悔しかったけどやっぱりそんな美味い話はないよなと、僕らは諦めた。

諦めたというか、我に還ることができた。


自分たちは演奏もヘタクソだし、場数を踏んだわけでもないし、ビジュアルもかなり悪いほうだ。

年金会館のブッキングの人も、そのときのテンションで僕らに声をかけただけで、時間が経ってやっぱりヌルハチは無いなってなったんだろうって思って、我に還ることができた。







なんとなく大人の階段を一段登った気がして、こういうこともあるさと、フワフワした気持ちは落ち着いた。













そして
また何週間か経ったあとの
僕らがスタジオで練習をする日。



ボーカルのハギワラミナミを車で迎えに行ったとき、ハギワラは僕にこう言った。






「岡ちゃん、こないだの年金会館の人覚えてる?昨日たまたま京都駅のエスカレーターで見かけて、『すいません、お久しぶりです!2ヶ月くらい前にライブハウスでお会いしたんですけど…』って声かけたら、顔見て「あっ」て言われてそのまま無視して逃げてかはってんけど…」






僕は、わけわからんというか、何でやねん!ってなって


一応そいつとは電話番号も交換してたし、

思い切って電話かけた。



そしたら

その番号は現在使われてなかった。




その時やっと、僕らは気づいた。


本当に、その時、やっと。





完全に騙された。



騙されたというか、




おちょくられた。




とても、悲しい気持ちになった。



まさかそんな意味のない事をする人がいるなんて思ってなかったし、

僕らの音楽をバカにされてしまった。



○ね、と思った。

僕は普段割と温厚で、後輩のバンドマンにいきなり腹パンチとかされてもニヤニヤしてるタイプやし、キレたことなんて多分人生で2、3回くらいしかないけど


そいつはほんまに


○ね、と思った。




何故僕が今こんな4年も前の出来事を思い出したのかわからないけど、


こういうわけのわからんアホにおちょくられたときのような
悔しい気持ちや、舐めんなって気持ちは風化したらイカンと思って

ブログに書いた。

いつも丁寧語でブログ書くけど、

今回はタメてやった。









ミーたん

中村くん

チャッサン


俺のブログ読んでるか。


覚えてるよな。このこと。

なんやったんやろうな、ほんまに。

ムカついたよな。
俺今でもムカついてるもん。






ていうか俺らもアホやったよな。





ブッキングとかおらんよな。





おわり