岡崎体育ブログ 脂汗日記

盆地テクノやってます、岡崎体育のブログです。ぷっちゃへんざっ。めーん。

夢のあと

2019年6月9日、僕は7年間ずっと目標にしてきた"さいたまスーパーアリーナ"でワンマンライブをしました。

岡崎体育として、ステージに立ちました。

 

 

 

当日の具体的な内容は、またいつか別の形でどこかに出るだろうし

今回のこれは自分に宛てた手記みたいなものとして扱おうと思います。

僕の人生の最良の日に僕が感じたものを忘れないようにする為のものにします。

 

 

 

 

 

 

さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブから数日が経ち

僕は京都の実家の部屋で冷たい烏龍茶を飲みながらいつもの学習机でこれを書いている。

 

 

さっきインスタントの味噌ラーメンを食べて美味しかった。ゲームをして楽しかった。

明日は映画を観て、ブックオフでマンガを買おうかなと思っている。

ナイキのスニーカーもほしい。友達にも会いたい。

最近は夕方になるのも遅くて、もう少しで夏だなと思ったりもする。

 

 

 

ボーっとした単純な感想や考えばかりが出てくる。

子供の頃の頭の中と少し似ているかもしれない。

 

 

 

思えば小学生くらいのときから、何かを作って人に見せるのが好きだった。

一人っ子で、家にいるときはよく家族に自作の工作や絵や迷路を見せていた。

それを褒められるのがすごく嬉しかった。

その感覚は、おそらく今もずっと続いているんだと思う。

 

自分や自分の作品が、誰かの人生や誰かの記憶に介入して褒められたり評価されたりすることで

僕は生きている意味を実感しているんだと思う。

生まれてきて良かったと、大袈裟かもしれないけど、そう思うことができる。

 

 

 

岡崎体育を始めてからも

「やりたいことをやるだけの道楽では長く活動できない、道化になって売れなくては」

と思い、大衆に受け入れられながら音楽で生活できるようにするにはどうすればいいかを

第一に考えるようになった。

 

 

自分が作ったものを人に見せて、家に帰ってまた作って、また見せて。

色々なことを試行錯誤しながら、考えて、考えて、考えた。

 

 

 

 

それと同時に、ある夢を持つようになった。

 

 

 

 

さいたまスーパーアリーナでワンマンライブをするという夢だ。

 

 

 

 

そして僕はこのブログを書いている数日前

 

 

7年間持ち続けたその夢を叶えることができた。

 

 

僕は歌声がひと際美しいわけではない。人を魅了する容姿を備えているわけでもない。

事務所無所属なので音楽的政治力があるわけでもない。

 

 

 

 

どうして僕は夢を叶えられたのだろうと考えると

 

 

 

 

やっぱり多分

 

 

 

 

 

夢を声に出してきたからだと思う。

 

 

 

 

 

僕は言霊という言葉に宿る魂の力っていうのを信じていて、

23歳の頃から「30歳までにさいたまスーパーアリーナでワンマンライブをする」

という目標をいたるところで口にしてきた。

 

 

岡崎体育という者がいること、岡崎体育が音楽をやっていること

岡崎体育さいたまスーパーアリーナでワンマンをやると宣言していること。

 

 

少しずつ、少しずつではあるけれど、音楽活動を通して世の中の人にそれを伝えられるようになっていった。

 

7年間、特にデビュー後は全てのライブのステージでお客さんにこの夢を伝え続け

SNSでも常に発信し続けてきた。

 

 

 

 

 

 

 

そして2019年6月9日

その7年の間残し続けた言葉に、魂が宿った。

 

 

 

 

 

 

みんなが来てくれた。

 

 

みんながチケットを買って、いろんな乗り物に乗って、全国から僕の言葉に魂を宿しにきてくれた。

 

 

 

 

18,000人が、僕のワンマンライブを観に来てくれた。

 

 

 

 

 

僕の夢を、一緒に叶えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

6月9日

迎えた当日の朝は、今にも雨が降りそうな曇り空だった。

 

 

楽屋に入って、PCの電源を入れた。セットリスト順にCubaseのプロジェクトを並べた。

ケータリングを食べたけど、半分くらいしか食べられなかった。

 

 

リハーサル前の廊下で、マネージャーの松下さんとディレクターのタイトさんと僕の3人で写真を撮った。

僕を一番近くでサポートしてくれて、一緒に夢を見てくれた人達だ。いい写真が撮れた。

 

 

 

リハーサルを終えると、たくさんの人から豪華な花が届いていた。

今まで音楽を通して出会った人達からだ。

たくさんの花を見たときは、少し泣きそうになったけどライブ前だったから堪えた。

 

 

 

 

 

15:30過ぎ。

会場のゲートが開き、楽屋のモニターには次々と席につくお客さんが映っていた。

改めてとんでもない人数だ。緊張してきた。

 

 

16:40。

僕はいつものパーカーに着替えて、鏡に映る「BASIN TECHNO」の胸元のロゴに手をあてた。

何か言葉で自分を奮い立たせようと思ったけど、何も思いつかなかったのでステージへ向かった。

 

舞台袖でイヤーモニターを耳にかけ、マイクを握った。

 

 

16:45。

ライブ開始。フロアのライトが消えたと同時に、お客さんの声が大きく響いた。

イヤモニをつけて密閉されている僕の耳にも、その声ははっきりと届いた。

喉がキュっと熱くなる。

 

次の瞬間には、この日の為に新しく作ったOvertureが開場に鳴り響いた。

 

ステージを覆った白い幕に僕の影が映った。

その影の胸元に「BASIN TECHNO」という文字がレーザーライトで刻印されていく。

影なんだけど、本当に自分の身体に刻み込まれていくような感覚がした。

 

 

 

そして僕にとって一番思い出深いD#の和音が爆音で会場全体を包んだとき

幕が下がり

 

 

僕はさいたまスーパーアリーナのステージに立った。

 

 

夢が叶った瞬間だった。

 

 

 

ここからの内容はここでは書かないけど、書かなくても脳味噌や眼球に焼き付いている。

 

 

ここに書かずとも、老いて尚いつでも鮮明に思い出すことができるんだろうな。

年老いて老人ホームに入ったら、介護士さんに毎日自慢してしまうと思う。

 

恵まれた人生だ。自分の作った曲を18,000人の前で披露できることなんて滅多にない。

 

幸せだった。ほんとうに幸せな時間だった。

あんなに幸せな時間はもうこの後の人生ではないだろうというくらい、思い残すことがない。

 

 

これを書いている今、改めてあの日さいたまスーパーアリーナに足を運んでくれた全ての人に

ありがとうと伝えたい。僕の夢を一緒に叶えてくれて、本当にありがとう。

 

 

 

 

 

 

夢を持つことはいいことだ。人生が楽しくなる。

とてもしんどいけどね。楽しい。

 

 

 

 

人間は長く生きてもたった100年だ。

今こうしてるうちにも1秒1秒どんどん寿命は迫っている。心臓は動いている。

 

 

頑張れ岡崎体育。まだまだやれるよ。

 

 

これからも、精一杯音楽を作って行きます。

 

 

 

一生音楽続けます。

 

 

 

 

おわり